こんにちは、reiです。
今回は、2015年6月に出版され、2016年にドラマ化もされ話題を呼んだ、辻村深月さんの長編小説「朝が来る」を読んでみた感想やあらすじの紹介してみたいと思います。
2020年映画化も決定!
この「朝が来る」は、「特別養子縁組」がメインテーマです。
私自身、一人目も二人目も不妊治療をしていましたが、体外受精まで進むことなく二人の子供を授かることができました。
にもかかわらず、本屋でこの本の横に飾られた手書きのポップの「特別養子縁組」という文字に反応してしまい、思わず手に取ってしまいました。
一歩違えば、もしかしたら自分も・・・という気持ちが心の底にあったからかもしれません。
私は保育士を目指すような子供が大好きな人間でもなく、どちらかといえば独身時代は子供が苦手なタイプでした。
そんな私が、命を育てる尊さに気づく事が出来たのは、やはり子供達を出産してから。
でもこれは、血のつながりがあるから?
血のつながりがなければ違うの???
この本は、子供を望んでいる方、今現在不妊治療をしている方、過去に不妊治療をしていた方にぜひ読んでいただきた本です。
朝が来る【辻村深月】のあらすじ
栗原佐都子と夫の清和は、長く子供を望んでいたがなかなか授かる事がなかった。
不妊治療を始めるも、夫、清和が「無精子症」である事が判明する。しかし夫婦はあきらめることができず、その後何度も体外受精を繰り返すが、いずれも成功することはなかった。
夫婦は子供をあきらめる選択をするが、偶然見たテレビ番組で、特別養子縁組を斡旋する「ベビーバトン」という団体を知る。
佐都子は団体の事が気になってはいたものの、夫には言い出せないままパソコンで団体を検索しようとする。するとそこには、すでに「ベビーバトン」と検索した夫の履歴があった・・・
「ベビーバトン」に登録した夫婦の元に、一年後赤ちゃん受け入れの連絡が入る。
夫婦は迷うことなく赤ちゃんを我が子として受け入れる。可愛い男の子であった。
本来であれば、赤ちゃんの受け渡しで実母との顔合わせは行われていないが、この時は実母が希望したこともあり、夫婦は喜んでそれを受け入れ対面した。
家族に付き添われやってきた、「片倉ひかり」と名乗る実母は、なんとまだ幼い中学生であった。
その「お母さん」の少女から、涙ながらに子供を託された夫婦は、少女に大切に育てていくと固く誓い、心から感謝する。夫婦はその子を「朝斗」と名付けた。朝が来たと・・・
しかし六年後、夫婦の元に無言電話がかかり始める。
そして何度目かの無言電話で相手が口を開き、自分はあの時の母親「片倉ひかり」だと名乗る。
そして「子供を返してほしいんです。それが無理ならばお金を払って欲しい」と。
そしてそれが出来ないのなら、近所や周りの人間に、朝斗が養子であることをすべて話すとも。
夫婦は女を自宅に招き入れたが、訪れた女はあの時の少女にはどうしても見えなかった。
「あの時のお母さんではないですね。」
と、夫婦が女に言うと、女は驚き実は私は片倉ひかりではなく、お金が欲しくて出来心で脅迫をしてしまったと告げ、素直に帰って行った。
一ヶ月後、夫婦の元に刑事が訪れて「片倉ひかり」がここに訪れていないかという。「片倉ひかり」には窃盗と横領の容疑がかかっていた。
あの時訪れた女は、やはり「片倉ひかり」であったのだ。
ここからは、「中学一年生の片倉ひかり」へと場面は変わっていく。
同級生の「たくみ」とつきあっている事、その後妊娠してしまい、気が付いたら中絶不可能な週数になってしまっていた事。
ひかりの両親は、誰にも気が付かれないよう娘を出産をさせる為、「ベビーバトン」を頼り、ひかりは広島の施設へと向かった。
広島の施設で臨月まで過ごしたひかりは、無事子供を出産し、ベビーバトンによってその子は栗原夫婦へと託された。それが朝斗である。
ひかりは何事もなかったかのように学校へと戻るが、「たくみ」はひかりと別れる事を望み、すぐに新しい女の子と付き合い始めてしまった。
次第に両親や周りと不仲になっていったひかりは17歳で家出をし、その足でかつての「ベビーバトン」の施設へと向かう。
ベビーバトンの施設で住み込みながら働くようになったひかりだが、間もなく施設は取り壊されることに。
ある時、ひかりは施設の一室で、かつての自分の記録を見つける。
そこには、我が子を託した夫婦の記録も。。。
ひかりは深い意味もなく、そこに書かれていた夫婦の住所や電話番号をメモしてしまう。
その後施設を出たひかりは、住み込みの新聞配達の仕事をしながら広島で生活を続ける。しかし、そこで出会った「トモカ」に無理やり借金の保証人にされてしまう。
取り立てから逃れる為に、ひかりは新聞配達店から横浜へと逃げた・・・
コメント